未来のために誰かが
しなくてはならない仕事

中島和彦

蛭川幸史

機械処理部・樹脂事業部(兼務)
2015年入社

高校卒業後、四日市の自動車メーカーに勤務。2015 年から、中部エコテクノロジーに転職。 現在は、機械処理部と樹脂事業部を兼任し、破砕機や選別機のメンテナンス・改造や人員 配置をおこなう。

マニュアル通りではない面白さ

前職のメーカーでは、生産する製品や手順が決められており、マニュアルに従って作業を進めればよかったのですが、当社はマニュアル通りに仕事が進みません。毎日さまざまなメーカー・型式のちがう家電製品が入荷するので、何をどういう手順で進めるか自分たちで決定することができます。大変な反面、責任とやりがいのある仕事です。
製造業では、限界までコストカットした上で製品を作るので生産台数を増やすには無理があります。ですが、リサイクルの現場にはそこまでのシビアさはなく、効率化を考える余地があります。近年は特に効率化に積極的に動いており、実際に試したり検討したりすることが多くなっています。“変えてみよう・動いてみよう”という前向きな気運に満ちており、職場全体に活気があります。

ずっと製造にいたらできなかった経験

製造の現場では言われたことをやるだけの小さな世界でしたが、リサイクル業界に入り視野が広がりました。 リサイクルの仕事は、世界市場の影響を受けます。例えば、金属の価格が下がれば出荷物の価格低下に直結します。中国での廃プラスチックの輸入規制も他人事ではなく、新たな輸出先を探さなければなりません。 これまで気にしなかった世界経済やニュースにも興味を持つようになりました。
以前の仕事であれば、設備導入の判子を押すこともなかったと思います。
新しく発見すること・学ぶことも多く、ずっと製造にいればできなかった仕事に携わっているという実感があります。

競争ではなく、切磋琢磨

製造業界では情報はできるだけ自社で独占し、ライバル会社との競争に勝とうとします。一方、リサイクル業界では同業他社に「そちらではどうされていますか?」と気軽に情報を聞くことができます。他社と競争するのではなく情報を共有しながらお互いが切磋琢磨し技術を高めています。
当社ではリサイクル会社の交流会に参加することがありますが、その時に困ったことを相談したり、意見交換をしたり、ときには参加しているリサイクル工場に見学に行ったりしています。こうした機会に見聞を広め、良い面を吸収しながらリサイクル業界全体で一丸となり発展を目指しています。

循環型社会の実現に向けて

前職の製造業では、生活で使われる製品づくり、いわば“動脈側”の仕事でした。一方、当社は使い終わった製品を資源に分解する“静脈側”の仕事です。
“動脈側”では機能やデザインを優先するため、リサイクルしにくい製品が開発されることもあります。“静脈側”であるリサイクルの現場では、それら解体しにくい製品のリサイクル方法を考えていかなければなりません。 この現状を打破するためには、商品に安さや便利さだけを求めるのではなく、リサイクルのしやすさや環境への配慮にも目を向ける必要があると思います。
リサイクルは避けては通れず、なくてはならない仕事です。リサイクルは、特殊な仕事のイメージがあり実際にリサイクルの現場を体験しなければ本質はつかめません。 リサイクル業界の社会的な認知度が向上し、もっと身近なものになればリサイクルしやすい製品も開発されるのではないかと思います。私の力はごく小さいですが、リサイクル業界の発展のために、日々努力し新しいアイデアを出していきたいと考えています。